GLOCOM forum 2005探訪記その2

理研→ネットコミュニティと合意形成→日本コンテンツ立国論→設計研。と我ながらミーハーな傍聴スケジュール。とにかく会場が暑いフォーラムだった。熱気じゃなくて気温が。すべてが終わったのが22時過ぎだったがその直後友人に呼び出され、そのまま東京で徹夜で飲む。ので、やっぱりいまだに消化中。いちばんおもしろかったのはやっぱり倫理研だったなあ。

ised第5回倫理研
(消化中・別エントリにしよう)結局アーキテクチャは不偏不党たりうるか、という話にすればよかったんじゃないだろうか。
ネットコミュニティと合意形成
パネリストの「いろいろいわれて盛り上がってるけど、それほどのもんじゃないですよ」という姿勢に回収されていったセッション。えーと細かい内容は「おいらブログ: GLOCOMフォーラム行ってきました(http://mitsu.cocolog-nifty.com/blog/2005/08/g_1c4c.html)」に譲る方が賢明か。きっちり要点をまとめたレポですごいと思う。このセッションの本筋とは離れるのだけれど、既存メディアの精度の低さが共通認識として語られていた点が一番気になりました。出版社系週刊誌なら記者→デスク→編集長というラインに加え校閲、新聞なら記者→デスク→部門長(でいいのかな)というラインと校閲・整理という手厚い布陣でニュースを精査する体制ができている。だから、ここが十分に機能するならば、取材内容自体がネットジャーナリズムと同じだったとしても、情報の確度や日本語の正しさの点で、商品価値を高めることは可能だと思うんだけれど……。また、ある種のアルファブロガーが「ネット論説委員」となる可能性を取り上げていましたけれども、新聞の論説委員て現場から上がってくるメモを材料にしているしなあ。既存メディア側はもっとマンパワーを売りにするべきだ。あと、司会だった鈴木謙介氏が「ひろゆき」と呼びかけるときの馴れ馴れしさがなんか鼻についた。もうちょっと一見というか、ふりの客(俺だ俺)の目線も意識した方がいいと思う。
日本コンテンツ立国論
GLOCOMの研究者・フェロー3名と各省庁のコンテンツ方面担当者(含む旧担当者)5名によるセッション。まず外務省・文科省総務省経産省内閣府それぞれが「コンテンツ」担当を置いていることに驚く。確かに、ポップカルチャー著作権文科省、通信・情報インフラ→総務省、ソフトウェア→経産省、「知財」→内閣府っていう縦割りだもんなあ。で、討議では皆さん「自分の考えている“コンテンツ”とはこの辺のことです」という発言が多かった。その認識について討論ということもなく、現状の総花的な総括という感じ。管轄省庁が多岐にわたっている現状をそのまま反映しているよなあ。外務省の岡田氏の「武道や茶道も立派なコンテンツ」という発言は大いにその通りだと思うけど、そういうところまで議論を広げられも、とも思う。議題設定をもっと明確に「旧来型のエキゾチック・ジャパンと違う形で受容されている日本発コンテンツで、どうやって儲けるorみんながハッピーになるか」という感じにしたうえで、アニメ業界に対する減価償却関係の優遇をしてみてはどうかとか、警察はフィルム・コミッションにもっと柔軟に協力すべきではないかとか、そういう泥臭い議論をした方がよかったんじゃないでしょうか。とにかく、政治家が大文字の「コンテンツ」をメシの種にできるようにならないと立国とか無理だと思った。プログラマとかアニメーターとか選挙いけない(物理的に)から、組織型選挙とかロビイングとか無理なんだけどね。
ised第5回設計研
近藤社長は当然として、多くの出席者の「はてな愛」がすごくて追いつこうと必死になっているうちに過ぎていった。個人商店は企業になりえるか、という話から、はてなアイディアの先進性みたいな多様な話題を「はてなにまつわる話」として処理していたのでなんていうか、「はてな」それ自体にとりたてて興味がない自分としてはどうしていいかわかりませんでした。近藤社長を前に、出席者は「近藤社長の思想はこうだろう」と語り合うというある意味ものすごいセッションではあった。