ものすごく裏が気になるニュース
特殊情報収集へ新機関創設を・外相の私的諮問機関提言
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20050913AT1E1200J13092005.html
英国の情報機関を参考に政府内に特殊な対外情報収集活動をするための機関の新設を打ち出した。在外公館に専門教育と訓練を受けた情報担当官を置き、テロ情報など国内の治安にかかわる情報網の拠点作りを進めるよう求めた。
外務省によるプレスリリースはこちら↓
外務省: 対外情報機能強化に関する懇談会(報告書の提出)
なんでSISをモデルにするのかなーと思ったが、プレスリリースを読んで謎が解けた。
情報機関の長い歴史と経験を有する英国では、秘密情報機関(SIS)を設置し、外務大臣の下におきつつ、固有の活動を行う体制としているが、このような方式はわが国としても参考になる。かかる情報を扱う機関は外交政策の遂行という大枠の中で活動することを原則とすべきであり、従って、このような機関は、外務大臣の下に置くのが妥当であろうと考える。
なるほど、外相の諮問機関の出す提言だもんな。外務省に都合のいい方向に話が持ってかれるのは当然か。となると次に浮かんでくる疑問は懇談会メンバーについて。
「対外情報機能強化に関する懇談会」参加者
○ 大森義夫NEC顧問(座長)
( 以下50音順)
○ 江畑謙介拓殖大学海外事情研究所客員教授
○ 茂田宏東京大学客員教授
○ 野中光男三菱商事株式会社顧問
○ 森本敏拓殖大学海外事情研究所所長
各人の主な職歴を調べてみると
- 大森義夫(在香港総領事館領事、警視庁公安部長、内閣情報調査室長)
- 茂田宏(ソ連大使館公使、在韓国大使館特命全権公使、国際情報局長、国際テロ対策担当大使)
- 野中光男(第4師団長、情報本部長)
- 森本敏(航空自衛隊→外務省 情報調査局安全保障政策室長など)
見事に、日本の情報関係の各機関関係者がそろい踏み。これでよく外務省主導の情報活動強化って話にまとまったと思う。そして唯一在野(たぶん)の江畑謙介に求められているのはどういう役割だったんだろう。
なお本筋とは関係ありませんが、大森義夫って人はすごい家系の人ですね。父親が内務官僚から転身して陸上幕僚長→防衛大学校長を歴任。弟は防衛官僚で、防衛研究所長、防衛施設庁長官、内閣官房副長官補を歴任ってんだから、どういう教育をされたんだろうなあ。『インテリジェンスを一匙』ISBN:487738197Xは、能吏って感じの人っぽかったが。