『亡国のイージス』

日曜(28日)に新宿で観ました。
あらすじとかそういうのはキーワードリンクに譲る。ざっくりとした感想では、65点くらいかなあ。閉鎖空間アクションとしてはまあまあ面白かったと思います。セガールの『沈黙の戦艦』よりは派手なアクションがない分、緊迫した感じがある。仙石役の真田裕之も、原作の仙石のイメージとは異なるものの、好演だったと思います。あれで原作に忠実に、もっとこう普通のオヤジ然とした人がやると地味すぎる映画になってしまったかと。一緒に観た原作未読の友人は「かなり面白かった」と言っていたので、単独作として水準を超えたんじゃないかなと。
映画単独ではなく、原作と比較して考えるとまず気になったのは、登場人物たちの掘り下げの薄さ。長さの関係上しょうがなかったとは思うけれど、いっそ少し人数も整理してしまってよかったのではないでしょうか(特にジョンヒはいらない)。原作では実際に読める「亡国のイージス」論文も、端折った形での朗読になってしまうので、叛乱グループにリアリティが足りなくなる。もう一点気になったのは、いそかぜがMD(原作刊行時はBMDだったか?)の迎撃ミサイル発射艦であることが描かれていなかったところ。MDはアメリカの一大国家戦略であって、いそかぜはそれにどっかり乗っかった日本の象徴としての意味合いを帯びているので、盛り込んでおいた方が映画全体に深みが出たと思います。MDは説明しづらいとか、政治的に微妙とかという事情があるなら、イージスシステムがアメリカ製だということを説明するという手もあったんじゃないでしょうか。
ドンチョル役の安藤政信の存在感と、DAIS局員役の池内万作のもうけ役ぶりが印象に残った映画。

あとけちをつけたい点

  • 半世紀くらいテロしかしていない国の人に「これが戦争だ」とかいわれてもな
  • うらかぜ(いそかぜに撃沈されるやつ)はなぜCIWSを作動させなかったんだろうか。あれか、巷間噂される「実弾詰めているのは2基のうち1基のみ」というのを再現したんかYO!