無人機の運用にはいろいろ複雑な構想があるらしい

『北』偵察に無人機導入
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20050726/mng_____sei_____000.shtml
旅客機並みの大型機となるため、墜落時の被害が最小になる小笠原諸島の硫黄島が発進基地となる見通し。(中略)ミサイル発射時の熱を赤外線センサーで探知し自衛隊に伝える。このほか、光学カメラと、夜間や悪天候時に使う合成開口レーダーも無人偵察機に搭載され、他国の軍事施設を撮影したり、洋上の工作船を追跡したりすることが可能。防衛庁の情報収集手段は、通信施設を活用して他国の軍事通信を傍受する「耳」の機能しかなかったが、初めて独自の「目」を持つことになる。

2タイプの偵察衛星無人戦略偵察機、という重層態勢で戦略的なIMINTを取れるようになったことで(それぞれの絶対数の問題はあるにせよ)、情報の自己完結性というか、国家戦略の自由度というのは一層高まることになるわけですな(OP-3Cも結構役に立つだろうし。逆にいつだって最後はHUMINTが問題なわけですけど)。もっともこの状況が、実質的にアメリカと一体となってオペレーションするMDによってもたらされたというねじれは、いかにも戦後日本を象徴してますね。
ウサギのごとく耳をすまして警戒(今回は目ですけれども)するというのは、専守防衛の国の姿勢としては極めて正しいですよね。もっとも、ウサギと違って、国というのは逃げるわけにはいかないのですが、ま、その代わり交渉ということができるからな。そしてその交渉用の武器に牙というか槍というかを持ちましょうとか言い出す人が絶対出てきたなんだか本末転倒になる悪寒。
あと、硫黄島に実戦部隊が配備されるのは、戦後初めてなんではないでしょうか。
なお、紙媒体の中面の解説記事には「社会部・半田滋」の署名が。確か『軍事研究』で石川巖が「エース記者」と讃えつつ、たびたび記事を引用しているシトですね。