『ネコソギラジカル(中)』(西尾維新/ISBN:406182399X)

驚いた。ストレートなジュブナイルになってた。それも倫理的な。いーちゃんが「成長」とか言い出す。
僕はそもそも、「戯言使いシリーズ」というのは(天沢退二郎言うところの)「ハリー・ポッター」シリーズのような「自己発見」の物語だと思っていた。いーちゃんが「ER3にいくようになったorいた頃の自分」を「発見」することで、もともと持っている力を出力でできるようになる話なのだと。んで、玖渚は言わばハリーのおでこの傷にあたる、「過去ものすごい力を出力した証拠」みたいなものなのだろうと。そしたらなんか成長するとか過去に向き合うとかいって、オーソドックスなビルドゥングスロマンぽい展開になってますよ。新世代エンタメって感じがあんまなくなっちゃたように思うんですが、いいんでしょうか。ある意味広げた風呂敷をガソリンかけて燃している気がする。

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)