自衛隊がグローバルホークを導入するんだと

無人偵察機、「グローバルホーク」軸に導入検討 防衛庁
http://www.asahi.com/politics/update/0609/006.html?t1
Web版では出ていませんが、夕刊紙面では解説記事が加えられており、同機導入の問題点として

  1. 国産機開発を中止する必然性
  2. 墜落の危険性
  3. 米国との情報共有のあり方

を挙げていました。2は難癖だと思う。米国が運用している機体が何度か墜落事故を起こしているため「住宅が密集する日本での運用には危険性があるのでは」という話なんだけれども、そもそも飛行機っていうのは「離陸は任意、着地は必然」なんていわれるくらいのものだから、事故の可能性というのは常にある。この機体が特に危ないのか、それとも「飛行機は危ない」のか、どっちの話なのか、解説記事からでは分からない。前者なら事故率でも提示しないことには話が始まらないし、後者なら「軍民問わずよけいな飛行機は飛ばすな」という話になってしまう。加えて、運用の仕方という問題もあるわけで、今度はこっちが印象論ですが、同型機を運用した場合の日米の事故率って、日本の方がはるかに低いのではなかろうか。(好例が懐かしの無人機DASH)。3については、個々の機器=システム調達の問題じゃなくて、政治がさっさと結論を出すべきことでしょうなあ。
で、問題は1。防衛庁が公表している「高高度無人機システムの研究」の事前評価(http://www.jda.go.jp/j/info/hyouka/2002/jizen/hon09.pdf)では

(2) 事業の必要性
② 類似手段との比較検討状況
類似手段としては、外国製無人機の導入等が候補として考えられるが、我が国の国情を鑑み、周辺空域から広域を監視することのできる高高度滞空型無人機としては必ずしも最適でない見通しであり、当該特性を持つ高高度無人機の実現性を確認するための技術資料を早期に取得するために、本事業を実施するものである。技術的課題については一度に解決するのではなく段階的に実施していくことが適当と判断される。

と書かれている。将来的に国産機を作る気満々の様子がうかがえますが、どうしてこの「必ずしも最適でない見通し」がひっくり返ったのか。「のんきに開発している時間がないからです」ということならそれはそれで一つの見識と思いますが、単に「F-2問題で国産派が失墜」とかだったらぐったりするなあ。
しかし、猫も杓子もMDの大合唱だな。高々度無人偵察機RMA化の要の一つっていう話じゃなかったのか。