日本郵船タンカー襲撃事件について

日本郵船(東京都千代田区)の大型タンカー「高山」がイエメン沖を航行中に攻撃された事件で、緊急通報を受けたドイツ軍駆逐艦「エムデン」が犯人の船とみられる2隻を発見しながら、臨検の同意が得られず追及できなかったことが分かった。ドイツは軍の海外派遣規則で、同意なく外国船に立ち入ることを認めていない。


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 一方、臨検の実施は他国軍も国際法の制約で、船が掲げる国旗の国の許可や、対象船が海賊行為をしたと疑える十分な根拠などが必要だ。



タンカー襲撃:独海軍が容疑船発見も臨検できず - 毎日jp(毎日新聞)

「エムデン」がインド洋で通商保護に当たっているということに底知れぬおかしみを感じるのがこの記事に主眼だとは思うのですがそれはそれ。
臨検の実施には、おそらく国連海洋法条約を参照したのではないかと思われる、「海賊行為を実施したと疑える十分な根拠」とか、なかなか難しいが、経済活動の自由を守るうえで(たぶん)大事な条件とかが書いてあるわけですね。しかし、ここで気になるのは同じ記事中にこうあるわけですよ。

エムデンが武装集団とみられる貨物帆船とモーターボートを発見。この際、砲撃に使ったとみられる対戦車ロケット砲が船に装備されているのも確認した


得体の知れない民間船がロケット砲をつんでいるだけでは「海賊」と即断できないところに現代社会の複雑さを感じました。ソマリア(の一部)を実効支配している武装勢力の旗とか掲げてあって、公船とか軍艦に順ずるような雰囲気があったんだろうか。