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条約を字義通りに取ると毎日の勇み足のような気も

タス通信などによると、ロシア軍幹部は14日、ロシアが配備を進めている新型対空ミサイル「イスカンデルM」の射程を現在の300キロから500キロ以上に伸ばし、中距離ミサイルに改良する可能性を示唆した。

 中距離ミサイル(射程500〜5500キロ)は米露の中距離核戦力廃棄条約で全廃されたが、米国が計画する東欧へのミサイル防衛(MD)システム配備に反対するプーチン露大統領は条約脱退の可能性に言及しており、軍からも米国への圧力を強める狙いとみられる。

ロシア:軍幹部が新型対空ミサイルの中距離化を示唆 - 毎日jp(毎日新聞)

んー、IMF全廃条約だと

the INF (Intermediate-Range Nuclear Forces) Treaty, requires destruction of the Parties' ground-launched ballistic and cruise missiles with ranges of between 500 and 5,500 kilometers, their launchers and associated support structures and support equipment within three years after the Treaty enters into force.

INF TREATY、強調は引用者による

ってなってんだよね。つまり中距離ミサイル全般じゃなくて、中距離弾道ミサイルと巡航ミサイル(およびその関連施設)の廃棄に過ぎない。しかも、どのミサイルを廃棄対象にするかというのは両国の委員会で討議の上で例えば「パーシングミサイルは廃棄対象」というふうにタイプごとに決定しているので、射程だけが条約に抵触するミサイルを現在新規に開発することにどこまで縛りがあるかっていうのは微妙な気がする。

ただ、そのへん、単に事実関係を厳密に検証しないで記事が出来たとも思えんし*1、発表時に現場レベルでの何らかの仄めかし(ホラ話)があったか、ロシア軍内に「IMF全廃条約何するものぞ」みたいな空気があってそれを記者がもともとつかんでいたか、あるいはそういう空気がある風に見せたい軍のある種の駆け引きなのか。この辺はモスクワの空気が分からないとなんとも言えないことで、一軍オタの手には余りますが、ともあれ、妙に引っかかった記事でした。

*1:整理校閲がそこまでザルとも思えない