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JANJANにマジレス

話題っぽい
携帯番号が“背番号”に 移動履歴監視の怖さ
に若干の疑問があるのでメモがわりに。とはいえ、

住基カードをもってくれと言わなくても、携帯電話の動きを追えば個人の動きを追える。しかも、義務ではなく、自ら好んで持っている。権力側にとって都合がいいのは、発信機をつけているということ。自動追尾システムに成り得るものを持っている」と小谷さんは指摘しました。

という今ひとつよく分からない前振りで始まる話なのであまりまじめに考えることはないのかも知れない。だいたい住基カードって持ち歩かないし、使わないとなんの記録も残らないから、個人の動きを追うには適してないと思うのだけれど。で、多分話のキモは

 犯罪が起きたとき自白が取れないと、警察は携帯電話の位置情報をとるそうです。保存しているので後で検索できるからです。その人の動きを知りたい時、捜査令状がなくても、携帯電話の会社は簡単に警察の照会に応じて教えるシステムができているそうです。
(略)
令状なしでも警察の照会に応じる電話会社
 個人情報保護法ができた時、社民党保坂展人衆議員が、携帯電話の位置情報について、法務委員会でNTTドコモの法務部の人間に質疑をしたそうです。警察の位置情報の照会にどうやって応じるのかと聞くと、令状がなくても任意で、(義務じゃない場合でも)どんどん教えている、と答弁したそうです。位置情報をどうやって把握するのか、という質問に対しては「過去ですか? 未来ですか?」とNTTドコモの人間が答えたそうです。未来の場合、電話番号を入れておくとそこから追尾が始まる。過去ではなく、常にどこにいるかリアルタイムで追尾できるシステムになっているそうです。

というところかと思います。まあ任意でばんばん教えているというのであれば、この間元交際相手の女性の住所を偽の捜査書類を作って携帯電話会社から入手した警官とかいうのがいたので、ちょっといやな感じの話です。大げさにいえば、これから先、左右問わずどんな政党が政権を握るか分かんないわけですし。

しかし、こんな話が国会で出て、まったく話題になってないというのもちょっと解せないよなと思ったので、簡単に国会議事録を調べてみました。「保坂展人+携帯電話」とか「保坂展人+NTT」とかで検索かけてみたのですが、どうもこの記事で取りあげられているようなやりとりがない。むしろ平成15年05月09日の衆議院法務委員会(リンク)では以下のようなやりとりが
(発言番号160から)

○保坂(展)委員 私、一番冒頭のところで、法務省の刑事局長にお尋ねした点があったんですね。これは大変重要なことなので、ちょっと追加的に聞いておきたいと思います。
 というのは、前回私が指摘したのは、携帯電話の位置情報並びに位置登録情報というのがあって、これは二つ違うんですね。あえて言えば、位置情報というのは、電話をかけたときに発信をした通話記録の中に含まれる、どこからかけたかということをいっています。位置登録情報というのは、例えば電話をかけていないときにでも、交換局と定期的に結んで、ここにおりますよと位置確認をしているという、この二種類の情報があるわけなんです。
 実は、前回も示しましたけれども、郵政省が大変いい議論をしていたんですよ、平成十二年十二月に。これは、電気通信分野における個人情報保護法制の在り方に関する研究会というのがあるんですね。この中にいっぱい出てくるんです、この位置情報の話は。これは大変な問題だということを書いているんですね。
 ちょっと紹介をしますと、要するに、通信の秘密もさることながら、個人がどこにいるかなんということは高度なプライバシーだと書いているんですね。そして、この整理では、なかなか境界が不確定であると。さっき言いましたところ、携帯電話やPHSのいわゆる通信をしたときに附属する位置情報は通信の秘密として概念分けできるだろうとここには書いてあります。
 もう一つの位置登録情報については、これは通信ではないと。いわば電話線みたいなものですからね、位置登録情報というのは。携帯電話の所持者が今東京・永田町にいますよという、この登録ですから、これは通信ではない。だからいいのかというと、しかし、これは、通信の秘密ではないけれども、どこに存在するかという情報は最も高度なプライバシーである。少なくとも、これは通信の秘密に当たるかどうかということで当たらないからといって、これとは全く違う扱いをすることは適当じゃないというふうに言っているんですね。しかも、いわゆる自己情報についてのいわば開示だとか訂正だとか、そういうこともやはり考えていかなきゃいかぬというふうに言っているんです、実は。
 そういうことを踏まえると、検証令状で、これからその人がどこに行くのか、どこに行ったのかというのを、捜査状を使って全然問題がない、通信傍受と全く絡んでこないという前回の答弁は、いささかやはり認識不足じゃないか、うんとと言ってもいいかもしれない。認識を問いたい

○樋渡政府参考人 要は、位置情報といいますものが個人の情報にかかわることであることは当然そのとおりでございますので、そういったものを捜査機関といえども勝手にとっているというものではありませんでして、やはり検証令状という令状をとって必要とあらば今までやってきたところでございます。
 したがいまして、捜査にとって必要であるという判断のもとで、司法の判断を経た上でとっている捜査活動でございますので、そのことに関しまして、捜査機関といたしましても慎重に配慮しながら、司法の判断を受けながらやっているものというふうに承知しております。

(下線は引用者)

また、平成15年04月17日の衆議院個人情報の保護に関する特別委員会(リンク)では次のようなやりとりがある。(発言番号119から)

○保坂委員 前回に引き続いて、携帯電話の通信履歴や位置情報について、捜査の場合の扱いと、本人開示がどれだけされるのかという論点で聞いていきますが、まず法務省刑事局長に、捜索・差し押さえ令状と検証令状の違いを簡単に述べてください。

○樋渡政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねにつきましては、捜索・差し押さえと検証の性質の違いについて申し上げますと、捜索は、人の身体、物または住居その他の場所につきまして物または被疑者の発見を目的とする強制処分であり、差し押さえは、有体物の占有を取得する強制処分であるのに比し、検証は、物、場所、身体の存在及び状態を五官の作用によって認識する強制処分であると承知しております。

○保坂委員 そうすると、前回、警察庁の刑事局長に、携帯電話の通信履歴、位置情報などを必要に応じて捜査照会で、今話題に出た捜索・差し押さえ令状や検証令状による取得を行っているかどうか。また、位置情報についても、検証令状で必要な情報があればこれを取得することがある、こういう答弁を得ているんです。
 ここでちょっと伺いたいのは、個々具体的な事件についてはいいです、一般論で結構ですから。そうした場合に、過去の通信の情報、履歴などを取得する場合と、例えばこれから一週間とかいう未来の携帯電話所持者の位置情報を検証令状で取得するという場合がありますか。

○樋渡政府参考人 一般論として申し上げますと、検証と捜索・差し押さえの違いは先ほど申したとおりでございますので、過去の携帯電話による通話の際の位置に関する情報が有体物に記載または記録されている場合には、その情報を記載または記録した有体物が差し押さえの対象になると考えられます。他方、携帯電話が、現在所在する位置を確認する場合のように、位置情報に当たる情報を五官の作用によって認識するような性質のものである場合には、検証の対象となると考えられます。
 したがいまして、先ほど委員の御指摘のように、過去のものを、これも検証による場合もあるようでございますけれども、これは有体物を差し押さえることができるのが普通でございます。将来の位置情報を知るというのは、検証によるのが通常ではないかなというふうに思います。

○保坂委員 ちょっと語尾が不鮮明だったので。
 私が聞いたところでは、過去のは、刑事局長、もう一回聞きますが、未来のものについても検証令状でとる場合があるというふうに聞こえたんですけれども、間違いないですね。

○樋渡政府参考人 一般論で申し上げますれば、そのとおりでございます。

少なくとも検証令状を取るという形で一度司法に投げてはいるみたいなんだよね。んで、その検証令状というシステムが信用できないというなら別の話だし、一応こういう建前で動いているのに現場では実は、という話ならきちんと司法の場で片を付けるように告発でもなんでもするべきなんだと思うので、「令状がなくても任意で、どんどん教えている」ということのソースが欲しいなと思いました。

いずれ愛・蔵太さんとかが細かい検証をやってくれると思うのですが、まあ。