『Bloodstained Sea』読み始めた

まあ英語苦手なんで、ちまちまなんだけど。
第2次世界大戦において、アメリカ沿岸警備隊が気象観測や通商保護、そして揚陸艦艇の運用に多大な貢献をしたということはつとに知られているものの、その詳細を知ろうとすると、日本語ではまずまとまった資料がない。寡聞にして『第2次大戦のアメリカ軍艦』(海人社)の末尾見開き記事くらいしか知らない。あ、あとは隅田金属ぼるじひ社の同人誌『世間の艦船』というのもあったな……。

というわけで、USコーストガードについて知りたくても、いい本がなかったため、アマゾンで評判のいいこの本を買ってみました。ぱらぱらっと読んでみると、エリー級砲艦をベースにした当時の新鋭哨戒カッター、セクレタリー級の7隻の行動を中心に、開戦から大西洋の戦いが事実上集結する1944年末までの沿岸警備隊の活動がまとめられているようだ。戦闘記録や個人の手記に加え、筆者による当時の隊員へのインタビューがかなりふんだんに盛り込まれており、それがかなりユーモアに富んでいるものが多いので読んでいて楽しい(今のところ)。

なお写真ページに、カッター・キャンベル(Campbell)に乗り組んでいたマスコット犬Sinbadの写真があり、「へーかわいいなあ、もっと情報ないもんか」と思ってぐぐったら、コーストガードの公式サイトに、マスコットアニマルの紹介があった。情報充実。どんだけ動物が好きなんだお前ら(;´Д`)

http://www.uscg.mil/hq/g-cp/history/Mascots.html


はてなしなもん会長ほど高位には就いていないが、皆きちんとした待遇を受けていたようだ。Sinbadどうして愛されていたかを語る証言。

"Sinbad is a salty sailor but he's not a good sailor. He'll never rate gold hashmarks nor Good Conduct Medals. He's been on report several times and he's raised hell in a number of ports. On a few occasions, he has embarrassed the United States Government by creating disturbances in foreign zones. Perhaps that's why Coast Guardsmen love Sinbad, he's as bad as the worst and as good as the best of us."

適度にだめな子なので親近感がわいたっちゅうことですかのう。あれか、『パンプキンシザーズ』のマーキュリー号を地でいく感じか。


末尾のAppendixにセクレタリー級やら、連合国の船団護衛システムについて簡単にまとめてあるので、そういうのを知りたい人にもお勧めかもしれない。

半分くらいが犬に関する話になってしまった。

Bloodstained Sea

Bloodstained Sea

なお、現在に至るまでのコーストガードを概観したい場合はこちらがお勧め↓
Always Ready: Today's U.S. Coast Guard (Military Power)

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