とか思ったは『エマ』の8巻を読んだから

相変わらず19世紀的なファンタスマゴリを絵にするのがすごいうまいなあと思う。メイドのいる貴族生活の描写もいいんだけど、むしろ勃興しつつあった中産階級というか、本来的な意味でのプチ・ブルジョワの描写がいい。楽しみと消費が結びつき始めた時代の雰囲気がよく出ている。まさに『パサージュ論』の世界なんだよなあ。

ま、しかし、3巻の16話もそうだったけど、海水浴など貴族の行楽の場面を読むたびに、無産階級が「吊るそう」とか「バリゲートを作ろう」と思った理由もわからないではないなと思います。