9000マイルの約束 [DVD]

第2次大戦後にシベリアに抑留されたドイツ軍兵士が、「必ず帰るよ」と約束した娘のために、ほぼベーリング海峡の収容所から9000マイル歩いてダモイしたという実話をもとにした映画。実話を忠実に再現したわけではないわりに、今ひとつ脚色の度合いが足らず、実際は人目を盗んだ単調極まりないが命がけの脱出口だったんだなあと思わされる映画。モノローグ入れてもうちょっと物語性を高めてもよかったんじゃないかなあと思う。シベリアの圧倒的な自然がよく描けているだけに残念だ。また、収容所の悲惨さももう一歩という感じで、これまた冒頭の貨車のシーンがいいだけに残念。歩いてダモイできない日本人は石原吉郎読んでればいいなと思いました。
あとパウル・カレルの『バルバロッサ作戦』も『焦土作戦』も最後は歩いて友軍戦線にたどり着くドイツ兵士の話で締められていることを思うと、そういうひどい宿命の軍隊なのだと思った。

9000マイルの約束 [DVD]

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