『太陽』観た

先日横浜で。世間に遅れること2カ月って感じですが。
いや、大変面白かったです。要するに、スラブ・ロシアに産まれ育ったソクーロフという人が、枢軸国側で唯一放逐されなかった国家元首である昭和天皇について「いったいどうしてそういう風になったのだろう」と考え、色々勉強してみて、彼なりにどうにか解釈したら、こうなったのだなあと思いました。天皇が「神としての優しさ」と「人/君主としてのあり方」をどうしていこうかと考えたのか、をソクーロフが考えてみたものを映像化した感じ。ときどき強烈に「神」の部分が出てきたり「人」の部分が出てきたりする。そのあたりが何ともユーモラスに見えて、くすくすしてしまう映画だとも言えます。
だから史実との違いとか、何だとかをいちいち言ってみるのはしょうがないんだろうなと思いました。まあオフィシャルブックの方で、西部邁桶谷秀昭がひとくさり言っているんだけど、言うだけ野暮ながら言わざるを得ないっていうのも分からないでもない・・・ような。難しい「天皇制」問題を置いておくにしても、確かに焼け跡の風景とかちょっとヨーロッパ風(ドレスデン風)だしな。