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これマニア論だよな

蒐集する者のもっとも秘められた動機は、おそらくこう表現することができるだろう。つまり、彼は分散に抵抗する戦いを引き受けるのだ、と。大蒐集家はもともとは、事物がこの世界のなかで混乱した状態や分散した状態にあることに感銘を受けているものである。
(中略)
蒐集家について言えば、彼の蒐集は決して完全ではない。そして、彼にただ一片でも欠けていれば、彼が蒐集してきたすべてのものはやはりつぎはぎ細工、アレゴリーにとって事物がはじめからまさしくそうであるつぎはぎ細工にとどまるのである。

ヴァルター・ベンヤミン「パサージュ論」

軍オタ、というかある種の軍オタというのはまさにこれかなと思う。実際に戦うわけでもないのに(軍人でもないのに)どうしてそんなこと趣味にしているの?とはよく突きつけられる疑問だが、要するに彼ら(俺ら)は「戦争」とはいったい何なのかを知りたいのだと思う。石器以前の石ころからレーザー兵器まで、あるいは缶飯からプルトニウムまで、戦争にまつわる事物をすべて集めれば「戦争自体」触れることができるのではないかという儚い望みに賭けているのだ。人が自分の人生について考える(私にとって人生とは何だろう)のと同時に、人生そのものを考える(人生とは何だろう)のと同じに、これは「実戦経験」で知る戦争とは別のへんてこな欲求なのだと思う。
時に、いわゆる萌えオタは、複製技術時代の寓意家なんだろうか。