三峡の険も今は昔

今日付けの日経産業新聞の中ほどに、中国長江沿いの各地で港の整備が進んでいるという記事が出ていた。何でも三峡ダムの整備が進むにつれ、長江の水位が上がり、大型船の航行が可能になってきた由。重慶では積載トン数にして3000トン級の港の整備が進められているという。
3000トン!海系ミリオタには夙に有名な話であるが、かつて列強が中国に進出し、各地に権益を持っていた頃、長江を行動範囲とする河用砲艦が列強により多数整備された。これらの河用砲艦は、急流・浅水深・障害物多数の三峡の険を通航するために、喫水をを1m程度に抑えるとともに、強力な機関と利きの良い舵機を備えた造船史上特殊なフネであった。小回りを利かせるためにサイズも制限され、排水量は(積載トン数と単純に比較はできないが)概ね300トン以下、全長60mくらいの小型艦ばかりである。それが今では相当の大型艦まで、重慶に遡上できるようになったわけだ。
当時の河用砲艦乗りに、今の長江の様子を見せてみたい気がする。