『亀は意外と速く泳ぐ』

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昨日観てきた。存在感がないほど平凡な主婦すずめ(上野樹里)が、ひょんなことからスパイ組織の一員となったことから巻起こる、なんだかよく分からない脱力系コメディ。
とにかく上野樹里がいい。いや蒼井優もいいんだけど(今間違えてお約束通り蒼井そらって書いたよ!)、というか、うまさでは蒼井優の方が圧倒的に上なんだけれども、困った顔の上野樹里が写ってると、それだけでなんかこう、雰囲気がでるんですよ。「あたしなにやってんだー?」っていう脱力感が画面いっぱいに広がる感じ。『スイングガールズ』と真逆の方向性でよかった。個人的に一番笑えたのは、スパイ・クギタニシズオ(岩松了)のファッション。槌と鎌のTシャツに、旧東ドイツ軍のジャージとどう考えたって「過剰」なのに、平凡な、というかダサいその辺のおっさんファッションにしか見えないのがよかった。
ロケ地は三浦半島の先の方のようですが、微妙に都会化された「平凡」な感じがうまくでており、なんというか、総体的にとてもうまく作ってある映画だと思いました。
で、観ながら、合間合間の変な間がなんかに似てるなーと思っていたら、公安の人が大挙して体操したりうろうろしたりするシーンでハッと思い当たりました。この変な感じはどことなく押井守の『ケルベロス』シリーズに似てる!やっぱり抒情性を混ぜ込んだスパイ・戦争物というのは似ざるを得ないのか?まあ関係妄想なんだけどね。
しかし嶋田久作なあ。世が世ならこの人が『妖怪大戦争』に出ているべきなんだろうがなあ。