『ふたつのスピカ8』(柳沼行/ISBN:4840113076)

思春期。仲間がいて、恋があって、目的がある。その辺が丁寧なので、その方向性に於いては、大いに安心して楽しめる本です。ただこの作品、せっかく宇宙学校を舞台にしているのだから、運用系とか設計系とか宇宙物理系とか、そういう学科にいる生徒が混じってもいいんじゃないかなーと思う。主要登場人物がすごいストレートに、「ここではない遠いどこか・・・宇宙!」みたいな感じで、重力の井戸から逃れようとしている(大げさ)ので、かえって宇宙がすごい抽象化されて、なんというか「別に目指すのが宇宙でなくてもいい感じ」が段々強まってきているように思うのは僕だけだろうか。
あと、8巻ではライオンさんが見えるか見えないか、というのが大きなテーマになっているわけなんだけれども、僕も府中野くんと一緒になぜ彼にはライオンさんが見えないか考えたくなりました。死の影なのかなあ。

ふたつのスピカ 8 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

ふたつのスピカ 8 (MFコミックス フラッパーシリーズ)