民間軍事会社

今週のサンデー毎日に「日本にも『民間軍事会社』誕生」という記事が載っていたのだけれども、25歳以上くらいのオタクの中には、中吊りなんかでこの字面を見たときに、とっさに『ハミングバード』(吉岡平ISBN:4829125039)を思い出した人が多かったんじゃなかろうか。
リアルタイムで『ハミングバード』を読んでいたときに、「小回りの利くいわゆる“軍事顧問”みたいな仕事っていうのは、民間会社にやらせた方が、手も汚れないし国は便利なのかも」と思ったのだけれども、現代の民間軍事会社の興隆を見れば、あまり新奇な思い付きではなかったみたい。
同じように、アーブというネオヒューマンが人類宙域の過半を制圧し、恒星間航宙技術を独占して「パクス・アーブ」(ラテン語の活用分からんアーブニカとかになる?)とでもいうべき体制を整えている、という世界観のスペースオペラ星界の紋章』(森岡浩之ISBN:4150305471)を読んだときには「絶対アーブに隠れて恒星間航宙技術を開発しようとしている人類がいるだろう。そういうサイドストーリー書けんもんか」と考えた。しかしよくよく考えてみると、NPT体制下でこっそり核兵器開発していますというノルウェーだの南アフリカだのと同じことなので、なんというか、凡人の思考実験というのはだいたい現実に追い越されているのだと思いました。


星界の紋章〈1〉帝国の王女 (ハヤカワ文庫JA)

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