読書

ふたつのスピカ 13 (MFコミックス フラッパーシリーズ)がつらい

ほとんどの主要登場人物にとって、宇宙がある種の「マグガフィン」みたいになっててさ、今ここにいる自分を解放してくれる場所として機能してんだよね。行くのが宇宙じゃなくて例えば深海でも成り立つ感じで、学園ものとしてはいいけど宇宙を目指す話として…

GUNSLINGER GIRL 9 (電撃コミックス)、あるいはアンジェリカは正しく葬られたかというはなし

不慮の死、旅の途上での死などで正しく葬祭を受けられなかった遺体は、正しく土に還らず、生前の姿のまま邪悪なものとなって夜な夜な悪さを成す、という伝承は洋の東西を問わない広い範囲にある。例えば、ブラム・ストーカーが売り出す前、吸血鬼とはそのよ…

今週の夢幻の戦艦大和

『パラレルワールド大戦争』だった。

『Bloodstained Sea』読み始めた

まあ英語苦手なんで、ちまちまなんだけど。 第2次世界大戦において、アメリカ沿岸警備隊が気象観測や通商保護、そして揚陸艦艇の運用に多大な貢献をしたということはつとに知られているものの、その詳細を知ろうとすると、日本語ではまずまとまった資料がな…

ふたつのスピカ 12 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

買いそびれていたのを購入。 学園ドラマ全開で、「夏休みの思い出」たっぷりと描きつつ、全体のストーリもうまく転がせていると思う。ただやっぱり自分で以前書いた、「目指しているものが宇宙でなくてもいい感」があるので、もうこの作品はそういうものだと…

今週のイブニング

夢幻の軍艦大和 考証がゆるすぎるのであんまりまじめに読んでいなかったが、今週はモブの台詞で「おいおい……砲術の権威の誰かさんが叫んでいたほど…… わが帝国海軍の対艦砲戦の成績はなってねなあ〜」と無駄に黛治夫に喧嘩を売っていてわらった。あと留萌−釧…

『北京籠城 (1965年) (東洋文庫〈53〉)』

義和団の乱に際し北京公使館街籠城を余儀なくされた二人の日本人、すなわち柴五郎(日本公使館付武官)の講演録「北京籠城」と、服部宇之吉(東京帝大助教授)の「北京籠城日記」「北京籠城回顧録」を合わせて一冊としたもの。古本屋をふらふらしていたら、5…

GUNSLINGER GIRL 8

遅ればせながら読んだ。サンドロとペトラの話だと普通すぎて書くことがないんだよなあ。一期生の話は群像劇的に構成されていたけれど、二期生、というかペトラの話は、サンドロとペトラをぐっと中心に据えているから感情移入しやすいし、必然的に個々人の内…

とか思ったは『エマ』の8巻を読んだから

相変わらず19世紀的なファンタスマゴリを絵にするのがすごいうまいなあと思う。メイドのいる貴族生活の描写もいいんだけど、むしろ勃興しつつあった中産階級というか、本来的な意味でのプチ・ブルジョワの描写がいい。楽しみと消費が結びつき始めた時代の雰…

げんしけん(9) (アフタヌーンKC)読んだ

連載で読んでいたので今更感のある感想だけれど、終盤ではっきりと『究極超人あ〜る』との差異が出てきたなという感じがした。要するに『げんしけん』は体育会系マンガと近いんだよね。自分の好きなことのスキルを高めることで、成長したり自己実現を図った…

見知らぬ海へ (講談社文庫)

なんか違う本探してたらでてきた。 徳川方の城攻めで一族全滅のところを、たまたま、魚釣りに出かけて難を逃れた向井水軍の若殿・向井正綱。彼が向井水軍党を再建し、やがてかつての敵、徳川家の水軍の主力となるまでを描いた隆慶一郎の絶筆。とか書くとわか…

アジアの海の大英帝国―19世紀海洋支配の構図 (講談社学術文庫)

違う本探していたら出てきたので再読。 ごく簡単にまとめると、英国本国と極東(の植民地)との交通路がいかに整備され、どのように「帆船使用/東インド会社の航路独占」の時代が「汽船使用/郵便船会社の台頭」時代へと移り変わったかをメインテーマとした…

『暁の出撃』がリメイク

米映画会社ユニバーサル・ピクチャーズは8月31日、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が、第二次世界大戦中の英空軍による対ドイツ作戦にまつわる実話を脚色した「暁の出撃」(1954年、マイケル・アンダーソン監督)のリメイク…

『イリヤッド』読んだ

最近シューリマンの評価が芳しくないと思ったら、秘密組織「森の老人」の策動なんだということがわかった。わかったって言うかなんていうか。こういうのも伝奇といっていいのだろうか。楽しい伝奇とか歴史小説を読みすぎると、史実がよくわからなくなって困…

親切が勝ちそうなので愛は負けるかもしれない

GUNSLINGER GIRL 7買って読んだ。極めて納得のいく背景説明がなされた巻。法執行機関ものとしては非常にオーソドックスな「復讐と復讐後」がテーマだっていうことで、ある意味安心できました。1、2巻のままだったら果ては首都警警備部特機隊になるしかなかっ…

FACTA8月号

表紙が蓮コラだった。(;´Д`) いやコラじゃなくて蓮そのものなんですが。 ちょっと鳥肌でました。あとショートニュース欄に「東芝のWH買収の目論みは『原子力潜水艦の建造』?」っていう記事があってさすがにどうかなと思いました。東芝がIHI(=MU)と提…

いや読んでないけどさ

今回の芥川賞は、新潮社の人はすごくぐったりしたんじゃないかと思います。

MC☆あくしず Vol.1

読んだ。 いや正確に言うと眺めた。読む根気がわかなくて……。 萌え絵に別に抵抗がなく、萌えフォビアでもなんでもないのですがちょっとorzな感じに。 タイガー(PZ.Kpfw-6)擬人化→装甲=おっぱい→重装甲=巨乳巨乳! みたいなノリについていけなかった。魚…

偵察機入門―世界の主要機とその運用法 (光人社NF文庫)

各国で使用された偵察機を、それぞれエピソードを交えながら紹介するいわば「偵察機カタログ」。搭乗する期待はほぼ二次大戦までなので、SR-71やU-2、Mig-25Rなどは未カバーだ。逆に黎明期/一次大戦期の偵察機については飛行船まで紹介しており、これは一読…

ドイツ海軍のEボート 1939‐1945 (オスプレイ・ミリタリー・シリーズ―世界の軍艦イラストレイテッド)

オスプレイらしく概観をざっくりまとめた入門書です。Eボートについて、そこそこ知識があれば特に買い足す必要はないけれど、「ドイツ海軍がEボートのという魚雷艇を運用していたらしいけど、具体的にはどういうもんだろ」という向きには好適な感じ。まああ…

富士山の「面白い景観」

上記の「悪い景観」に入っていた富士山にかかる鉄塔や煙突をみて、クリス・スティール=パーキンスの写真集、『Fuji: Images of Contemporary Japan』を思い出した。自衛隊の演習場からの富士山、廃車置場からひょっこり顔を覗かせている富士山、とっぷりと暮…

数寄者の話

司馬遼太郎と魅入られた人と自分で書いていて思い出しました。『へうげもの』で最近とみに注目される古田織部ですが、司馬の「割って城を」では、魅入られすぎて『へうげもの』で描写されるような明るさが微塵もない、ものすごい怪人物になっています。あれ…

いまさら最新号のハチクロ読んだ

……。(;´Д`) 一歩間違えると「覚兵衛物語」(『新装版 おれは権現 (講談社文庫)』司馬遼太郎・所収)だと思いました。期せずして(というか期されていても怖い)この2作品はちょうどベクトルが真逆で、「義理と人情秤に掛けりゃ義理が重たい男の世界」っ…

ファルージャ 栄光なき死闘―アメリカ軍兵士たちの20カ月

アメリカ軍がなんでイラクで苦労しているのかが如実に分かる本。そしてある意味、ガンダム的なものすごい強力なユニットが特定の戦場で勝ち続ける戦争が実際あったらこうなる、というのが分かる本でもある。 描かれているのは、アメリカのファルージャにおけ…

『ファルージャ 栄光なき死闘』

について書こうと思ったらはまぞうが動かないんでやんの。

ビックコミックスピリッツの広告が少なくなっている件

先週といい今週といい、後ろのカラーページに広告がない。そして表3のカラー広告に入っているのが少年誌に入ってそうな「これでモテ顔」みたいな怪しげな美容広告……。センターカラーにはしっかり広告が入っているので、紙の取り都合の問題かとも思いますがど…

今週のイブニング

また常人には見えないものを見える人と、それを見抜く上司の話が出てきた。そして今はたと気がついたが、『警察署長』もそういうマンガと読むことは可能ですな。どうでもいいけど。

プルトニウム・ブロンド (ハヤカワ文庫SF)

わたしの名はザカリー・ジョンソン。地球最後の私立探偵だ。今日のクライアントは、世界最大の電子機器会社の女社長BB・スター、超セクシーなブロンド美女だ。依頼の内容は、亡夫が彼女に内緒で造らせた彼女自身のアンドロイドレプリカ―プルトニウムの核融合…

“The War to End Wars”は遠くになりにけり

第1次世界大戦が始まった当初、飛行機の固定武装はないに等しかった。空の戦いといえば、操縦士や偵察員がピストルやライフルを持ち込んで撃ち合ったり、甚だしきはレンガの投げあいで決着をつけていた。爆弾も、手榴弾に毛が生えたようなのを手で放り投げる…

今週のイブニング

散々ゴシックがでてるんだからいずれゴスロリも来ると予想するべきだった。ウエットスーツもある意味コスチュームと考えれば、作者が意図的に色々出しているだろうな、コスチューム。『もやしもん』端倪すべからず。